WebAssemblyはWebアプリケーションを高速に処理できる技術ですが、幾つかの欠点もありました。その一つがDOMを処理できないこと、さらにFetch APIやWebAudioなどのAPIが使えない点です。
しかし先日Announcing the web-sys crate! | Rust and WebAssemblyがアナウンスされ、WebAssemblyでもDOMや各種APIの利用が可能となっています。
実際にはラッピング?
今回発表されたのはweb-sysというクレート(パッケージ)です。すでにWebAssemblyに対応しているWebブラウザであれば利用可能となっていることから、WebAssemblyエンジン自体のバージョンアップは不要なようです。そのため、DOMやAPI操作はメインスレッド側のJavaScriptで行っているかと思われます。ただし、Fetch APIで使ったURLなどはWebブラウザ側のソースにはありませんでした(ネットワークログを見ると、どこにアクセスしたかは分かります)。
Hello World
Hello Worldのアラートを出す場合のコードです。
DOM操作
DOMに記述する際のコードです。 web_sys
クレートを介してWindowやDocumentにアクセスできます。
Fetch API
Fetch APIを使って外部リソースを取得するコードです。Promiseを使います。
rustwasm/wasm-bindgen: Facilitating high-level interactions between wasm modules and JavaScriptに多数のサンプルが掲載されていますので、ぜひコードを見てください。動いているコードはExamples – The wasm-bindgen
Guideにて確認できます。WebGLやCanvas、WebAudioなどのサンプルが掲載されています。